買取スタッフの
ヒトコト

　少し前になりますが、ソフトビニール製のキューピー人形を買い取りました。足裏に笛が付いていますので、お腹や顔を凹ませると「ピュー」と音がなります。

　さて、誰もが知っているキューピー人形。日本ではマヨネーズで有名な食品メーカー「キューピー株式会社」のキャラクターとして広く知られていますが、実はその歴史はかなり古いんです。そもそも、最初にこのキャラクターを世に送り出したのは、19世紀生まれのアメリカ人イラストレーターであるローズ・オニールという女性でした。1903年のことだったそうです。しかし、その頃はまだ「キューピー」という名称が与えられていたわけではなかったのです。いわば「吾輩は赤ん坊である。名前はまだ無い」状態ですね。その後、1909年にとある雑誌に登場した際に正式に命名された「キューピー」は、1913年に人形になったことで一躍世界的に普及します。日本国内では、1922年に先述の「キューピー株式会社」が名称およびイラストを商標登録しています。

　それ以来、キューピーを使用した人形などのグッズは数え切れないほど製造され、今となってはその全容を知ることはほとんど不可能です。その中で、玩具の中古市場でとりわけ高値で取り引きされているものは、セルロイド製などの古いキューピー人形になります。高いものでは数万円の値がつくほどです。今回買い取らせていただいたお品物はソフトビニール製ですので、価格的にはそれほど高額なものではありません。しかし、愛らしいその佇まいは値段では表せないものがあるように思います。だからこそ、一世紀以上に渡って世界中で愛されてきたのでしょう。